持続可能な物流の未来へ~省エネ優良事業者「Sクラス」2年連続評価が示すもの
2026年9月3日
MGL広報
はじめに
物流は、社会や企業活動を支える重要なインフラです。一方で、倉庫運営や輸送には電力・燃料など多くのエネルギーを使用するため、環境負荷の低減は物流会社にとって避けて通れないテーマとなっています。
このたび、三井物産グローバルロジスティクス㈱は、経済産業省の省エネ法に基づく「事業者クラス分け評価制度」において、2024年度提出分(2023年度実績)に続き、2025年度提出分(2024年度実績)でも『Sクラス(優良事業者)』評価を受け、2年連続でのSクラス評価となりました。
本記事では、2年連続でのSクラス評価につながった当社の取り組みと、持続可能な物流の未来に向けた挑戦をご紹介します。
省エネ法における「Sクラス」とは
省エネ法に基づく「事業者クラス分け評価制度」は、一定規模以上のエネルギーを使用する特定事業者等を対象に、毎年度提出される定期報告書等の内容をもとに、省エネの取り組み状況を評価する制度です。事業者は、エネルギー消費原単位等の改善状況などに応じて、Sクラス(優良事業者)、Aクラス(更なる努力が期待される事業者)、Bクラス(停滞事業者)等に区分されます。
Sクラスは、5年間平均のエネルギー消費原単位等を年平均1%以上低減している場合など、継続的な省エネ努力が認められた事業者に対する評価です。つまり、Sクラス評価は、一時的な節電や単年度の成果だけでなく、事業活動全体の中でエネルギーを効率よく使う仕組みが定着していることを示すものです。
出典:「事業者クラス分け評価制度(SABC評価制度)」 (資源エネルギー庁)
(事業者クラス分け評価制度)を加工して作成

物流会社がESGに取り組む意義
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとった考え方です。物流会社にとってのESGは、CO₂排出量の削減だけではありません。安全で働きやすい職場づくり、適切な品質管理、法令遵守、地域社会との共生など、日々の業務そのものに深く関わっています。当社では、環境負荷を下げながら安定した物流サービスを提供することが、お客様のサプライチェーン全体の持続可能性にもつながると考えています。
私たちが目指す「ESG経営」のあり方
当社にとって、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みは、特別な活動ではなく、日々の物流品質を高めるための業務改善そのものです。環境負荷を低減しながら、安全で働きやすい職場づくりや品質向上を進めることが、お客様への安定したサービス提供と企業価値の向上につながると考えています。特に環境(Environment)分野では、日々の業務に無理なく組み込める省エネ活動の仕組みづくりを進めています。
物流現場での具体的な改善事例
当社がSクラス評価を継続できた背景には、各拠点での地道な改善活動があります。大きな設備投資だけでなく、現場で気づいた無駄を一つずつ減らすことが、省エネ活動の土台です。
- シュリンク圧縮機の導入:物流現場では、入荷した商品の梱包材やストレッチフィルムなどの廃棄物が日々発生します。当社では、使用済みのフィルム類を圧縮するシュリンク圧縮機を導入し、回収までの一時的なスペースの削減を図っています。また、圧縮により廃棄物回収時の輸送効率も向上し、回収車両の運行回数削減やCO₂排出量の抑制につながっています。
- ポリロープの活用:梱包や荷役作業で使用する資材についても、現場の状況に応じた見直しを進めています。例えば、商品や荷姿によっては、荷崩れを防ぐために使用していたストレッチフィルムを、必要な箇所を固定するポリロープに置き換えることで、使用するフィルム量の削減につなげています。必要な保護・固定機能を確保しながら使用資材の最適化を図ることで、資材使用量や廃棄物の削減につながり、環境負荷の低減とコスト削減の両面に貢献しています。
![]() |
| 写真:ポリロープによる荷崩れ防止対応 |
- ライン塗装の最適化:倉庫内の床面に作業ラインや通路を明確に表示することで、作業者やフォークリフトの移動経路を最適化しています。これにより、作業者やフォークリフトの無駄な移動・待機時間が減少し、作業効率と安全性の向上に加え、フォークリフト稼働時間の抑制によるエネルギー消費の削減にもつながっています。
![]() |
![]() |
![]() |
| 写真①:避難通路兼歩行者通路 | 写真②:倉庫内動線の明確化 | 写真③:バース際の転落予防ライン |
これらの取り組みは、一つひとつを見ると小さな改善に見えるかもしれません。しかし、複数の拠点・工程で継続することで、エネルギー使用量、廃棄物、作業時間、コストの削減につながります。
物流現場の省エネを進めるうえでは、設備費だけでなく、梱包資材費、廃棄物処理費、保管費、輸送費、人件費など、日々の運営に関わるさまざまな費用を総合的に捉えることが重要です。当社では、環境面の効果とコスト面の効果をあわせて確認しながら、無理なく続けられる改善を積み重ねています。省エネとは、単に「電気を消す」ことではなく、業務全体の「無駄」を見直す活動でもあります。
数字で見る省エネ活動の成果
こうした省エネ活動の積み重ねにより、当社では継続的なCO₂排出量削減を実現しています。2026年3月期は前年度比で約5.5%削減し、2023年3月期と比較すると累計で約12.8%の削減となりました。
CO₂排出量削減率の推移 対象範囲:当社事業活動に伴う排出量

2023年3月期以降、当社のCO₂排出量は毎期減少しています。背景には、倉庫内照明のLED化や太陽光発電設備の設置といった設備面の取り組みに加え、社内服装ガイドラインの推進による空調負荷の低減、テレワークの推進によるオフィス使用電力の抑制など、日々の運用面での工夫があります。また、一部拠点における施設利用の見直しや運用体制の最適化なども、排出量削減に寄与しています。こうした継続的な取り組みの積み重ねが、当社の省エネ活動の基盤となり、2年連続でのSクラス評価にもつながっています。

持続可能な物流の未来へ
2年連続のSクラス評価は、当社のこれまでの省エネ活動が一定の成果として認められたものです。一方で、脱炭素社会の実現に向けた取り組みに終わりはありません。当社はこの評価に満足することなく、今後もCO₂排出量などの実績を継続的に把握し、見える化を進めながら、現場の改善、設備の効率化、資材の有効活用を推進してまいります。
さらに、今後の経営計画においても、ESGの考え方を一人ひとりの目標や日々の行動に結び付け、組織全体への浸透を加速させていきます。当社は、「物流×ESG」の可能性を追求し、物流の品質と環境負荷低減を両立しながら、お客様、社会、そして次世代に選ばれる持続可能な物流の実現を目指してまいります。
RECENTLY TOPICS
RANKING
- Monthly
- Weekly



