物流用語集 「ふ」

  • プール協定

    ふーるきょうてい

    Pooling Agreement

    同盟・協定加入のメンバーが運賃収入の全部または一部を吐き出して共同の勘定とし、これを各メンバーの経歴、実績などによりあらかじめ定められた割合(プール・ポイント)に基づいて分配する協定。自己に割り当てられたシェア以上に運賃収入をあげても、拠出の対象となるだけなので、シェアの範囲を超えた集荷競争を自粛させる効果をもち、競争を抑制する有力な手段である。こうした運賃収入を船社間でプールする協定は運賃プール協定ともいわれる。このほか費用まで含めた損益プールや、輸送貨物をプールするカーゴ・プール、あるいは船腹をプールするトンネージ・プールなどがある。
  • フィーダーサービス

    ふぃーだーさーびす

    Feeder Service

    輸送効率向上のため、コンテナ船は主要港にのみ寄港し、貨物取り扱いの集約化と運航の迅速化・安定化を図っている。主要港以外の貨物は主要港まで輸送され、主要港からは別便に積み替えて輸送される。この主要港と支線港との間のコンテナ輸送をフィーダー・サービスという。
  • フィデリティー コミッション システム

    ふぃでりてぃー こみっしょん しすてむ

    FCS (Fidelity Commission System)

    一定期間全量同盟積みした荷主に対して、貨物の多寡にかかわらず、後から一定率の運賃を払い戻す制度。米国トレードでは米司法省が一手積み契約の一種との判断を打ち出したことから実現が困難になった。
  • フォアマン

    ふぉあまん

    Foreman

    船内荷役を行うステべの総指揮者で、船会社および一等航海士の指示に基づいて本船上で荷役作業全般の指揮監督を行う。
  • フォワーダーB/L

    ふぉわーだーびーえる

    Forwarder's B/L

    フォワーダーが発行するB/L(船荷証券)で、とくに複合一貫輸送のThrough B/L(通し船荷証券)として発行される。Forwarding Agent(フォワーディング・エージェント)が発行する複合運送証券の買い取りの諾否は銀行の判断による。JIFFA(日本インターナショナルフレイトフォワーダーズ協会)も標準B/Lを作成、加盟フォワーダーによって使用されている。“JIFFA標準B/L”参照。
  • フォワーディングエージェント

    ふぉわーでぃんぐえーじぇんと

    Forwarding Agent

    厳密にいうと荷主ないしは船会社などの運送人に代わり、単に貨物を受けて委託運送業務を代行する代理人のこと。これに対してフレイト・フォワーダーはコンソリデーターとして自ら荷主との契約運送人となって、下請け運送人を利用しながら一貫責任運送を担う。しかしながら、フォワーディング・エージェントが次第にその範囲を超えて、フレイト・フォワーダーとしての活動を展開するようになってきたため、現在ではほとんど同義的に用いられることが多い。
  • 不可抗力

    ふかていりょく

    Force Majeure

    火災、地震、落雷などの自然的な不可抗力のほかに、工場閉鎖、輸出禁止、貿易制限、輸送手段の不足などの偶然事故や、戦争、内乱などの非常危険などの突発的な非常事態が生じ、通常の注意や予防方法では回避防止できない事態をいう。貿易取引ではかかる場合は売り手の船積み猶予や船積み義務の免除が認められるのが原則である。
  • 複合一貫輸送

    ふくごういっかんゆそう

    Intermodal Transportation

    貨物を単一の運送契約のもとに国際間にわたって複数の異なる運送手段を利用して運送すること。フォワーダーによるものおよび船社によるものがあり、単一の運送人(複合運送人)が荷送り人との間で輸送される全区間をカバーするThrough B/Lを発行して複合運送契約を結び、責任を持って貨物を運送することをいう。例としてはSLB (Siberian Landbridge)、American Landbridge、Canadian Landbridge、北米航路に関係するMLB (Mini-Landbridge)、IPI (Interior Point Intermodal)、RIPI (Reversed Interior Point Intermodal) などがある。MTC条約ではMultimodal Transport、TCM条約ではCombined Transportという。
  • 複合運送人

    ふくごううんそうにん

    MTO (Multimodal Transport Operator)

    1980年に採択された国連国際物品複合運送条約において、国際複合運送を担うものとして定義された運送人。当初はCTO(Combined Transport Operator)とよばれていたが、1980年条約採択後はMTOが一般的に使用されている。
  • 複合輸送証券

    ふくごうゆそうしょうけん

    Combined Transport B/L

    貨物の荷受地から荷渡し地まで、陸海空の少なくとも二つ以上の輸送手段を組み合わせ、その輸送区間全体のいっさいの手配を自らの責任で行い、輸送の全区間の責任を負う複合輸送人の発行する証券。Intermodal B/Lまた1980年の国連複合運送条約ではMultimodal Transport Documentともいう。
  • 不足詮議

    ふそくせんぎ

    Short in Dispute

    船側の検数の結果、S/O(船積み指図書)に記載された数量より実際の積み込み数が不足し、かつ、荷主側の検数の数とも相違があるために、目下調整中であるという意味。
  • 付帯費用

    ふたいひよう

    Extra Charge

    貨物保険で、保険者が填補義務を負う損害の立証や損害額を推定するためにかかった費用で、サーベイヤーによる検査報告書作成費用などのことをいう。
  • 不知約款

    ふちやっかん

    Unknown Clause

    シッパーズ・パックなどB/L(船荷証券)面に記載されている貨物、数量、重量などについては荷送り人より通知された数量、重量なので運送人としてはこれらの記載事項に関し免責となる約款。
  • プッシャーバージ

    ふっしゃーばーじ

    Pusher Barge

    後から押船(プッシャー)で押して移動させるのに都合のよい形にした艀(バージ)のこと。押船の船首とバージの船尾がうまくはまるようになっており、タグボートに曳航されるバージに比較して操縦性に優れ、湾内の狭い場所でもスムーズに移動できるほか、多数のバージをまとめて1隻のプッシャーで押す型式もある。
  • 物流管理

    ふつりゅうかんり

    PDM (Physical Distribution Management)

    モノが生産されて、消費者の手もとに届くまでの、すべての販売を中心とした物流の合理的な計画(物流システム)を策定、それを効率的に実施する技法をいう。包装、荷捌き(仕分け)、保管、輸・配送といった一連のモノの流れをコントロールすることだが、この過程では情報システムも取り入れ、商品の入出庫・在庫状況の把握・伝達など商品と物流の管理を一体化した形になり、企業の戦略そのものとなりつつある。なお、物流管理の対象としては調達物流、社内物流、販売物流、返品物流、廃棄物流の5分野がある。
  • 物流システム

    ふつりゅうしすてむ

    PD System (Physical Distribution System)

    生産者から消費者へ、製品、商品を届けるまでの間に生じる包装、荷役、保管、輸送といったそれぞれの機能を有機的に組み合わせることをいい、一貫性を持たせて物流の効率性を高めるのが狙い。
  • 不定期船

    ふていきせん

    Tramper

    寄港地、寄港日、航路などが特定されず運航される貨物船。特定荷主の単一貨物を輸送するために利用されることが多い。運賃その他諸条件は用船契約によって定められる。“Liner”参照。
  • 埠頭持ち込み渡し (関税込み) 条件

    ふとうもちこみわたし(かんぜいこみ)じょうけん

    DEQ (Delivered Ex Quay )

    1990年インコタームズの貿易取引条件の一つで、従来のEx Quay条件のこと。指定仕向け港の埠頭(quayまたはwharf)本船上で、輸入通関手続きが済んだ状態で買い手に荷物を引き渡した時に売り手の引き渡し義務が終了する。
  • 埠頭渡し

    ふとうわたし

    Ex Quay

    国際的な貿易取引における売買条件の一つで、売り手が物品を仕向け港の埠頭まで運送するすべての費用と危険を負担して、そこで物品を買い手に引き渡す条件。輸入関税を売り手の負担とするか、買い手の負担とするかによって、通常、Ex Quay“duty paid”と、Ex Quay“duty on buyer's account”の二つに分かれる。
  • 船側渡し条件

    ふながわわたしじょうけん

    FAS (Free Alongside Ship)

    約定品を船積み港に碇泊する本船テークルに達するところで貨物を引き渡す条件。売り手は、沖積みのときは艀賃、埠頭積みならばトラック賃など、船側までの持込み費用を負担する。しかし船側から本船への積み込み費用は買い手負担。