物流用語集 「へ」

  • ヘーグ ヴィスビー ルール

    へーぐ びぃすびー るーる

    Hague Visby Rules

    1924年船荷証券統一条約(通称ヘーグ・ルール)は、成立後半世紀近くを経過、第二次世界大戦後のインフレにより運送人の責任限度額や、コンテナによる海上輸送が始まったことなどで、内容が部分的に実情に合わなくなってきたため、1963年6月、CMI(万国海法会)のストックホルム会議で改正草案(ヴィスビー・ルール)ができ上がり、1968年2月のブリュッセル海事法外交会議で成立したのが「1924年船荷証券統一条約を改正するための議定書」(ヘーグ・ヴィスビー・ルール)で、1977年6月に発効した。改正の主要点は運送人の損害賠償責任額を引き上げたこと。ヘーグ・ルールでは1梱包当たり100スターリング・ポンドだったものを、1包もしくは1単位につき1万ポアンカレー・フラン(667SDR)、または損傷した物品の総重量の1キログラムにつき30ポアンカレー・フラン(2SDR)のいずれか高い方とした。イギリス、フランス、オランダなど欧州諸国を中心に20カ国が締結国となったため、1992年に日本も同ルール批准法案とこのルールに準拠した国際海上物品運送法の改正法案を国会に提出、同年5月に成立、93年6月から同ルールに加入し、改正法も同時に施行された。
  • ヘーグルール

    へーぐるーる

    Hague Rules

    海上物品運送を律する国際規則である。厳密には、1921年9月、B/L(船荷証券)中の免責約款をめぐる争いで船主、荷主、銀行、保険会社の利害関係者が集まり、オランダのヘーグで採択した規則のこと。この規則をもとに1924年8月、ブリュッセルの海事法外交会議で採択されたのが「1924年の船荷証券に関するある規則のための国際条約」(International Convention for the Unification of Certain Rules Relating to Bills of Lading, 1924)で、一般的にはこの船荷証券統一条約をヘーグ・ルールとよぶ。日本も1957年(昭和32年)に同条約を批准するとともに国内法である「国際海上物品運送法」を制定し、1958年1月1日から施行に移したが、ヘーグ・ヴィスビー・ルールへの加入に伴い、1993年5月末で離脱した。
  • ベール貨物

    へーるかもつ

    Bale Cargo

    箱物、たる物、缶物、びん物、かご物などの包装貨物のこと。
  • ベール容積

    へーるようせき

    Bale Capacity

    船艙内の貨物スペースを立方フィートまたは立方メートルで表したもので、船艙内の梁(ビーム)や肋骨(フレーム)などの突起物でできる小さなスペースを除いた内側の容積。梱包貨物を積む場合のスペース。“Grain Capacity”参照。
  • 米国運輸省

    へいこくうんゆしょう

    DOT (Department of Transportation)

    陸・海・空の運輸行政を総合的に所管する米国の行政機関。連邦航空局(FAA)、連邦高速道路局(FHWA)、海事局(MARAd)、Surface Transportation Board(STB)などを置く。
  • 米国海事法

    へいこくかいじほう

    Shipping Act

    米国航路における定期船海運活動を規制する法律。1916年に(1)Shipping Conference (海運同盟)の規制、(2)自国籍商船隊の建造、(3)国家非常時への対応、を目的として制定された。その骨子はClosed Conference (閉鎖型同盟)、Fighting Ship (競争抑圧船)、Deferred Rebate (運賃延べ戻し)、船会社の荷主に対する不公正な取り扱いと報復措置、などの制度および行為の禁止、Common Carrierのタリフ届け出制、船社間協定の届け出および認可制、など。その後、1961年にDual Rate System (二重運賃制)を認めるなど様々な改正が行われたが、長年にわたる国際貿易慣行の変化や貨物輸送技術の近代化、米国の各産業分野における規制緩和の進展など、米国定期船海運を取り巻く環境の変化に対応するため、1984年、抜本的に改正され、Shipping Act of 1984 (1984年海事法)として施行された。84年法では同盟への独禁法適用除外をこれまで通り認める代わりに、二重運賃制は禁止され、同盟にIA(インディペンデント・アクション)の導入が義務付けられるなど、より競争促進的な内容になった。1998年の改正海事法 (OSRA) では非公開のサービスコントラクト (SC)や同盟メンバー個々と荷主のSC締結が認められたため、同盟は存在意義を失い、米国航路では同盟が事実上消滅した。“OSRA”参照。
  • 米国州際交通法

    へいこくしゅうさいこうつうほう

    IC Act (Interstate Commerce Act)

    米国の国内運送法規制。1887年に制定された。当初は鉄道関係法規制だったが、その後トラックや内航海運(水運)の実運送に加え、運送取扱事業も含む総括的なものになった。Domestic Freight Forwarderの事業を営むにはこの法律に基づきICC(州際交通委員会)の許可ないしそこへの届け出が必要である。
  • 便宜置籍船

    へんぎちせきせん

    FOC船 (Flag of Convenience Vessel)

    船主がリベリア、パナマ、シンガポール、キプロスなどの国に便宜的に船籍を登録した船舶のこと。1954年、(国連)欧州経済協力機構(OEEC)が報告書の中で使用したのを機に一般化した。これらの便宜置籍国では租税収入を増やすために船舶に対し優遇税制を設け、運航、企業活動に対する規制も緩やかなので、先進諸国の船主が財政負担の軽減や、賃金の安い外国人船員を雇用して運航コストを下げ、国際競争力を高めることを狙いに活用している。半面、安全基準、乗組員の質の悪さなどで海難事故が増えるといった問題も抱えており、ITF(国際運輸労連)が監視を強め、労働条件、安全性が劣悪なFOC船に対し、時には荷役ボイコットという抗議行動を展開している。
  • ベンダー主導型在庫管理

    へんだーしゅどうがたざいこかんり

    VMI (Vendor Management Inventory)

    ベンダーが小売り業者から送られた販売量と在庫の情報をもとに算出した必要な補充量を、委託納入業者に出荷指示する管理方式。小売り業者からは発注しない。供給管理在庫ともよばれる。