物流用語集 「う」

  • ウイング車

    ういんぐしゃ

    full open van body truck

    トラックの荷物室の側壁をはね上げ側面を大きく開放することで、フォークリフト等による積み下ろし作業を容易に行えるトラックのこと。雨天時でも積載が行いやすく荷台横部が開放できる。
  • ウインチ

    ういんち

    Winch

    本船に備え付けられた揚貨機のこと。接岸した本船への貨物積み込み、ないしは本船からの貨物陸揚げに利用される機械。本船に乗り組んだウインチマン、あるいは陸上から派遣したウインチマンによって操作される。
  • ウェーバー制度

    うぇーばーせいど

    Waiver System

    一部発展途上国などが外航貨物を自国船に留保するために導入している制度。例えば、バングラデシュでは当該航路における貨物の40%を自国船に留保する国内法を制定、L/C(信用状)に自国船の利用を明記するよう義務付けており、対日航路では1船/1港当たり500トンに制限している。また、韓国も通商航海条約または二国間条約を締結してない国の船舶が、韓国関係航路において貨物輸送する場合、ウェーバー(自国船不就航証明書)の取得を義務付けていたが、1996年に廃止した。
  • ウエイビル

    うえいびる

    Waybill

    流通性のない海上運送状。航空分野のAir Waybillの概念を取り入れたものでSea Waybillとよばれたが、現在はWaybillと呼称されている。海上輸送においてコンテナ化が進み、船舶の高速化に伴って輸送時間の短縮が実現したが、貨物の引き渡し方法は依然としてB/L(船荷証券)との引き換えというシステムとなっている。このため受け荷主のB/L入手前に船舶が到着してしまう場合、受け荷主は銀行保証状により荷受けを行ったり、B/L到着までの倉庫料を負担しなければならない場合がある。このような状況を改めようとして考案されたWaybillは貨物の受取証と運送引受条件記載書を兼ねたもので、これまでB/L未着で生じていた貨物引き渡しの遅延を解消することができる。ただ有価証券ではないので銀行の介在する荷為替決済には不向きで、決済に有価証券を必要としない取引のできる信頼のある相手先との間で利用されることが多い。1994年1月にUCP500が発効し、これによって一定の条件を満たせば銀行は本書類(非流通性の海上運送状)を受理することとなった。
  • 受取船荷証券

    うけとりふなにしょうけん

    Received B/L

    貨物が船会社の倉庫またはCYに搬入されている状態において、荷主の依頼によって“Received for Shipment”と記載され、船積み前に発行されるB/L(船荷証券)。信用状統一規則では、信用状に特別の定めがない限りReceived B/Lは認められないことになっている。“Shipped B/L”、“On-Board Notation”参照。
  • 右舷

    うげん

    Starboard Side

    本船の船尾から船首方向にみて船体の右側の部分を指す。かつて船体の右側に操舵室があったことから、Steer(舵をとる)が変化してStarになったとの説がある。通常の航海時には右舷に緑色の舷灯をつける。これに対して左舷をPort Sideという。“Port Side”参照。
  • 海固有の危険

    うみこゆうのきけん

    Perils of the Seas

    保険証券本文に記載されている担保危険の一つで、海の偶然な事故または災害のこと。風および波の通常の作用を含まない。具体的には、沈没、座礁、衝突、波ざらい、荒天による海水漏れなどが該当する。
  • 裏書

    うらがき

    Endorsement

    B/L(船荷証券)、保険証券などの権利を売り手から買い手へ譲渡するため証書の裏面に署名すること。また保険業界では、保険契約が締結された後にその内容を訂正、変更する場合、それら変更事項を発行済みの証券の一部として追加発行する追認書もEndorsement(エンドースメント)またはRider(ライダー)という。
  • 上屋戸前受け制度

    うわやとまえうけせいど

    TRS (Terminal Receiving System)

    船会社は元来、輸出船積み貨物を船側で受け取るのが原則だが、それを本船接岸岸壁の直背後の上屋戸口で受け取ることができる制度。船会社は自らの名で上屋戸口で荷受けしたのち、その港運元請け業者を通じて上屋から船側での船積みまでの作業を一貫して行う。港湾施設の効率利用と経岸荷役の促進などを目的とした制度。
  • 運送

    うんそう

    Carriage

    航空機により貨物、郵便物、旅客および手荷物を運送すること。
  • 運送取扱人

    うんそうとりあつかいにん

    Freight Forwarder

    荷主の依頼を受けて、他の運送業者の運送手段を使って貨物の運送を引き受けることを業とする者をいう。1989年12月制定の貨物運送取扱事業法では、荷主と運送契約を結び、その履行のために自己の名と計算により運送事業者と運送契約を結ぶ「利用運送業」と、運送事業者の行う貨物運送の荷主への取り次ぎまたは貨物の受け取りを行う「運送取次業」とに区分されていた。しかし、2003年4月(2002年法改正)からは「運送取次事業」を廃止。また「利用運送事業」も外航利用運送(NVOCC)の場合、従来の第一種(幹線ルートサービス)に加え、第二種(トラックによる末端集配)業務も含む一環サービス)利用運送が適用されるようになった。運賃・料金は事後チェックへと緩和された。多くの場合、荷主代行、混載業者、複合運送人などの性格を兼ね備える。米国ではIC Act(州際交通法)、1998年改正海事法(OSRA)、航空法に規定され、国際的には国際複合運送条約がある。
  • 運送人

    うんそうにん

    Carrier

    海上輸送の場合は特定の港から仕向け港まで荷主より委託されて貨物を輸送する船舶運航業者のこと。航空輸送の場合は航空運送人をいい、航空運送状を発行する航空運送人および当該航空運送状により貨物を運送しもしくは運送を引き受けるすべての航空運送人、または当該航空運送に付随するその他の業務を行いもしくはそれを引き受けるすべての航空運送人を含む。鉄道では鉄道会社、陸上輸送ではトラック(トレーラー)輸送会社を指す。
  • 運送人渡し条件

    うんそうにんわたしじょうけん

    FCA (Free Carrier)

    1990年インコタームズの貿易取引条件の一つ。荷物を買い手が指定する運送人に引き渡した時点で売り手の責任が解除される条件。国際複合輸送に対応するため1980年に新たに追加された条件で、従来のFOBに相当する。
  • 運賃

    うんちん

    Freight

    貨物輸送料金のこと。輸送手段により海上運賃と航空運賃(国内輸送ではトラック運賃、鉄道運賃、艀運賃など)があり、支払い方法により運賃前払い(輸出者が船積み時に支払う)と運賃後払い(輸入者が貨物引き取り時に支払う)などに区別される。通常B/L(船荷証券)にフレイトの明細が記入されるが、“as arranged”として記入されない場合もある。貨物の運賃負担力によって決められる場合と、コンテナ当たりなど運送コスト面から決められる考え方がある。
  • 運賃,賃率

    うんちん,ちんりつ

    Rate

    貨物の輸送に対して運送人に支払われる対価。海上輸送ではそれぞれの船社または海運同盟の運賃率表(タリフ)に基づき、サービス・コントラクトは個々の船社あるいは同盟との交渉で決められる。航空輸送では貨物または超過手荷物の1単位の輸送に対して運送人が請求する運送料金。
  • 運賃後払い

    うんちんあとばらい

    Freight Collect

    運送行為の完了時(通常は揚げ地)に荷受人が貨物と引き換えに支払う運賃の支払い方法。ロシア、韓国向けはフレイト・コレクトが一般的である。
  • 運賃一括値上げ

    うんちんいっかつねあげ

    GRI (General Rate Increase)

    海運同盟がタリフに記載している全品目の運賃率を一律に引き上げること。国連定期船同盟行動規範条約(同盟コード)ではGRIについて荷主との事前協議及び情報の提供を義務付けている。しかし、現在では主要コンテナ航路では同盟のタリフが形骸化し、“実勢レート”となっているため、値上げは下落したマーケットレートを修復する(restore)という意味で、“Rate Restoration”が使われることが多い。
  • 運賃協定

    うんちんきょうてい

    Rate Agreement

    各同盟メンバーに対し、タリフに記載されたタリフ・レートの遵守を義務付けたすべての海運同盟に共通した基本協定。ただし、Open Cargo(オープン・カーゴ)についてはこの限りではない。また、海運同盟の一種で共通タリフはあるものの内部規制がゆるく、加入、脱退が自由な協定のことをRate Agreement、またはFreight Agreementということもある。Japan/Hongkong & Japan/Straits Freight Agreementがその例。
  • 運賃計算基礎重量

    うんちんけいさんきそじゅうりょう

    Chargeable Weight

    通常、航空分野において、IATA運送状面にあるコラム名で運賃計算の基礎となる重量をいう。通常実重量あるいは容積重量のどちらか重い方で記入される。しかし、重量低減制があり、より高い重量段階の最低重量を適用した方がより安い運賃となる場合には、この高い重量段階の最低重量を記入する。最低料金が適用となる場合には記入の必要はない。
  • 運賃込み条件

    うんちんこみじょうけん

    CFR (Cost and Freight)

    1990年インコタームズの貿易取引条件の一つで、従来のC&Fに対応。売り手が指定目的地までの荷物輸送に必要な運賃と諸費用を負担するが、荷物の損失、損傷のリスクおよび荷物が本船上に引き渡された後で発生した追加コストは、荷物が船積み港で本船の舷側手すりを通過した時点で売り手から買い手の負担となる。輸出に必要な手続きのすべては売り手が行う。