物流用語集 「は」

  • バース

    はーす

    Berth

    船舶が着岸し、荷役を行う港湾施設。着岸船舶の種類、大きさにより水深、岸壁全長が異なる。超大型船の接岸には14メートル程度の水深とアウトリーチ、トータル・リフトの大きいスーパー・ガントリー・クレーンが必要。航空輸送では航空機の駐機場(エプロンまたはランプ)の特定の駐機地点を指す。
  • バース・タームズ

    はーす・たーむず

    Berth Terms

    船内荷役料を船主と荷主のどちらが負担するかという運賃取り決め方法の一つで、積み地、揚げ地での船内荷役費を船主が負担する取引条件のこと。定期船による輸送が専らこの運賃条件によることからライナー・タームズと同義に扱われることがあるが、両者は厳密には同じではなく、ライナー・タームズでは港によって船主の費用負担がこの原則からはずれることがある。なお、欧米ではバース・タームズの語句はほとんど通用せず、ライナー・タームズのほうが一般的である。“FIO”、“FI”、“FO”を参照。
  • バーゼル条約

    はーぜるじょうやく

    Basel Convention

    正式には「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」(Basel Convention on the Control of Transboundary Movements of Hazardous Wastes and Their Disposal)。先進国から途上国への有害廃棄物の輸出を厳しく規制する条約。国連環境計画(UNEP)が中心となってルールを作り、廃棄物処理に関し、その能力に欠ける受け入れ国の環境が破壊されないよう、国際的な枠組みを決めた。1989年に採択、1992年に発効した。
  • ハーモナイズド コード

    はーもないずど こーど

    HS Code (Harmonized Commodity Description and Coding System)

    Harmonized System(HS)ともいう。国際貿易商品の名称および分類を世界的に統一したシステムで、関税および統計に関する統合された6桁の品目表として、1988年1月1日に発効した。世界の主要国のほとんどは通関統計などにHSを利用しており、日本も1988年1月からこれまで利用していた4桁のCCCN(Customs Cooperation Council Nomenclature)からHSコードに移行した。
  • バイヤーズ コンソリデーション

    はいやーず こんそりでーしょん

    Buyer's Consolidation

    複数荷主から出荷される貨物の混載業務を1社の受け荷主が行うことをいう。米国の大手百貨店、小売業者などバイヤーが商品を極東から輸入で仕入れる場合、個々のシッパーの貨物量が少ないため混載が必要となる。
  • ハイヤーベース

    はいやーべーす

    H/B (Hire Base)

    船のコストを把握する方式で、日本独特の用語。自社船については、本船を常に運航できる状態に保っておくための直接船費(船員費、修繕費、潤滑油費、船用品費、船体保険料、通信費など)と間接船費(資本費=金利、償却費)の合計を、また用船については、用船料をそれぞれ1ヵ月(30日)1重量トン当たりで計算し、その船の採算をとるときの目安としている。


    • H/B =
    • 船費 年間稼動月数×重量トン
  • パイロット

    はいろっと

    Pilot

    海運では本船に乗り込み、船長に代わって港内の所定の位置へ本船を誘導する水先案内人のことで、一定の水先区において免許を受ける。港湾、水路などは狭く、混み合うため、船舶交通の安全、機能を保持する極めて公益的性格の強い任務を帯びている。このため、特定の水先区(水域)では水先人を招くことを法律で義務付けている。これを強制水先人制度という。または航空機の操縦士のこと。
  • ハウス フォワーダー

    はうす ふぉわーだー

    House Forwarder

    大手のメーカーや商社が資本を投入して設立する場合も含めて特定の荷主との結び付きが強いフォワーダー会社。荷主の系列ないし系列色が強く、その荷主が海外に進出すると、フォワーダーもそれに伴って海外に進出して物流を一手に担うといった動きがみられる。
  • はしけ

    Barge

    河川や港内、あるいは近距離の港間を航行し、一般雑貨、原材料、コンテナなどを運ぶ小型船。100~500トン・クラスから近海航路に1,000トン以上の大型バージも就航している。鋼鉄製、木製があり、動力装置を持たない被曳船が一般的だが、大型貨物やプラントを積載して外航用に投入される自走式のものもある。
  • 艀運送

    はしけうんそう

    Barge Transportation

    艀によって港内に係留している本船から貨物を積み取り、岸壁まで運送し、荷揚げ、あるいはその逆の形で貨物を移動させる。港湾運送事業法の、三種(単独業種)事業のほか一種元請け(一般港湾運送)も艀基盤(直営)事業があり、いずれも免許制。岸壁整備で経岸荷役が一般化し、コンテナ化が進むなかで次第に業種が縮小している。
  • 破損・曲がり・へこみ

    はそん・まがり・へこみ

    Breakage, Bending & Denting

    貨物海上保険で貨物の破損、曲がり、へこみといった損害を担保する保険条件。
  • 裸用船

    はだかようせん

    Bareboat Charter

    賃貸料を支払うことによって、船舶の占有、支配を一定期間譲り受ける用船契約。文字通り「裸の船」を貸し借りするもので、用船者は本船の償却費用以外の運航費用をすべて負担するとともに、船主の了承のもとに船長の任命をはじめ船員の配乗、船舶の艤装を行うなど、本船の運営・運航に関する一切の責任を引き受け、完全な管理権を掌握する。このため、船主が裸用船に応じるのは用船者が十分な管理能力を備えているか、あるいは特別な資本関係にある場合に限られる。Demise Charterともいう。
  • パナマ運河庁

    はなまうんがちょう

    Panama Canal Authority

    1999年12月31日にパナマ運河が米国からパナマに返還されたことを受け、パナマ政府が設立した独立政府機関。パナマ運河の管理、運営、維持に責任を負う。
  • パナマックス

    はなまっくす

    Panamax

    パナマ運河を通航できる最大船型で、幅106フィート(約32.3メートル)、吃水40フィート(約12メートル)、6万5,000dwtクラスの船舶のこと。PanamaとMaximumの合成語。
  • ハブ アンド スポーク システム

    はぶ あんど すぽーく しすてむ

    Hub and Spoke System

    ハブは車輪の中心の意味で、ハブを車軸、スポークを航空路線にたとえた集配方式。
  • 早出し料

    はやだしりょう

    Despatch Money

    船主と用船者の用船契約で、貨物の荷役に関し規定された積み揚げ碇泊期間よりも早く荷役が完了した場合に用船者に支払う報奨金。用船契約時に短縮日数1日当たりの金額が取り決められる。“Demurrage”参照。
  • バラスト

    はらすと

    Ballast

    船足を増し安定をよくするため、また船の傾斜を変えるために積み込まれる水、砂、砂利などで、通常は水が多い。船足を増すとは貨物積載重量が少なく、本船が浮かび上がり、航海上不安定な時にバラストを入れて船体を沈めて安定させ、航行し易くすること。
  • バラ積み

    ばらづみ

    bulk

    パレットを使用せず段ボール箱等を1箱ずつ積み付けること。
  • ばら積み貨物

    はらづみかもつ

    Bulk Cargo

    包装・梱包せずにそのまま船艙内に積み込み輸送する貨物の総称で、ドライ(乾貨物)とリキッド(液体貨物)に大別される。ドライ・バルクの代表的なものとしては、鉄鉱石、石炭、穀物が3大バルク貨物とよばれている。他にばら積みで輸送されるものとしては、コークス、スクラップ、セメント、クレイ、ジプサム、サルファ、砂糖、塩などがある。リキッド・バルクとしては重油、軽油、灯油、ナフサ、ガソリンなどの石油精製品ならびにベンジン、トルエン、アルコール類、無機酸類、糖蜜などあらゆる液体品がある。ばら積みすることにより、梱包費が節減でき、また、対象貨物に基づき設計された船艙により積載量の最大化と荷役効率の向上など輸送の効率がはかられている。航空輸送ではパレットやコンテナに仕立てないでバラ積みされる貨物を指す。
  • バルク コンテナ

    はるく こんてな

    Bulk Container

    液体、粉体、粒体などばら積み貨物のための特殊コンテナ。ホッパーとタンクの2種がある。