物流用語集 「た」

  • ターミナル オペレーター

    たーみなる おぺれーたー

    Terminal Operator

    コンテナ・ターミナルの運営主体で、本船荷役、ヤード内の作業、受け渡し計画を主に実施する。日本では港湾運送事業法の免許取得が必要で、主として港運業者がなる場合が多く、船会社が専用借り受けしているターミナルでは、船会社と港運業者の共同出資会社もある。アジアではPSA、HIT、MTLなどが知られる。
  • ターミナル チャージ

    たーみなる ちゃーじ

    Terminal Charges

    広義では港湾における貨物の取り扱い、荷捌きに要する料金だが、狭義では北米太平洋岸諸港や豪州の港における港湾料金で、Handling Charge,Wharfage,Car Loading Chargeなどから成る。本来テイクルを離れた定期船貨物に対する諸掛かりは船会社に無関係だが、こうした料金が船会社に請求されるため、貨物の受け渡しにあたり荷主から徴収している。豪州、ニュージーランド航路では荷主負担のWharfage、Sorting、Stackingの諸チャージを船会社が代行払いすることになったため、荷主にBasic Service Rate Additions(豪州)、Port Service Charge(ニュージーランド)を課徴している。日本側ではこうした形の料金をBase Rateと別途に徴収する同盟ではなかったが、1990年1月からFEFC(欧州同盟)が輸入貨物に限り、THC(Terminal Handling Charge)として新設し、アジア関係同盟もCHC(Container Handling Charge)として1992年から課徴しはじめた。
  • ターミナル ハンドリング チャージ

    たーみなる はんどりんぐ ちゃーじ

    THC (Terminal Handling Charge)

    欧州同盟とアジア関係同盟・協定が課徴しているサーチャージで、名称は同じだがその内容は欧州とアジアでは異なる。欧州航路の場合FEFC(欧州同盟)が1990年1月から日本を除く極東/欧州(西航)および欧州/極東・日本(東航)のコンテナ貨物に導入した料金で、従来は同盟のベース・レートに含まれていたコンテナ・ターミナルでの諸費用を外出しにし、別途のチャージとして各国通貨建てで課徴しはじめたもの。アジア関係航路ではターミナルでの諸掛かりや空コンテナの回送などのコストの一部をカバーする目的で新たに導入されたチャージ。1991年8月に香港・海峡地協定が課徴開始し、同10月からインドネシア、タイ、フィリピンの3同盟もこれに続いた。欧州航路のTHCと区別するためアジア関係同盟ではITHC(インドネシア)、TTHC(タイ)、PTHC(フィリピン)という呼称を使っている。
  • ターミナル レシービング チャージ

    たーみなる れしーびんぐ ちゃーじ

    Terminal Receiving Charge

    本船が接岸するバースの最寄のターミナルから本船船側まで、あるいは本船船側からターミナルまでのコンテナ移送作業を船会社が行うことにより発生するコストをカバーするために荷主から徴収する料金。
  • 代位求償権の放棄

    たいいきゅうしょうけんのほうき

    Waiver of Subrogation

    保険者が保険クレームに基づき、保険金を支払った後、運送人に代位求償しないこと。例えば、運送人が被保険者の関連会社などである場合、保険者が被保険者の依頼で保険契約時に代位求償権を放棄する場合がある。“Subrogation”参照。
  • 滞貨、積み残し貨物

    たいか

    Backlog Cargo

    本船積みされないまま、あるいは揚げ荷後搬出されないまま、ターミナルやヤードに滞留している貨物。港湾ストライキや船混みなどの際に発生する。航空輸送では航空機に搭載されないで積み残された貨物を指す。単にBacklogともいう。
  • 第三者賠償責任保険

    たいさんしゃばいしょうせきにんほけん

    Public Liability Insurance

    被保険者が自己の業務に関連した事故などで第三者の人身障害または財産の滅失、損壊などによって法律上の賠償責任が発生した場合、それを担保する保険。第三者の貨物を扱う運送人や倉庫業者などが貨物の所有者を被保険者として付保する保険などがその例。
  • 代船

    たいせん

    Substitute

    C/P(用船契約書)では代船条項を設けて船主に船主による代船の提供を認めている場合があり、船名欄に“M.S.xxxx or Substitute”と記入される。その代船のこと。
  • 滞船料

    たいせんりょう

    Demurrage

    用船契約では用船者(荷主)と船主との間で、一定碇泊期間で貨物の揚げ荷・積み荷を行うことを取り決め、荷役がその期間内に終了しない場合、超過期間について用船者は船主に対して滞船損害賠償金を支払わなければならない。これをデマレッジ(滞船料)という。滞船料がかかるようになると日曜・祭日、雨天・荒天による不荷役の日数は除外できない。一方、荷役が早く終ればDespatch Money(早出し料)が船主より荷主に支払われる。コンテナ輸送ではFree Time(フリー・タイム)を超過したコンテナのCYでの留置日数に対する保管料をデマレッジといい、日ごとに(例えば1~4日、5~9日、10日以上)割高なペナルティー的チャージが要求される。
  • 太平洋航路安定化協定

    たいへいようこうろあんていかきょうてい

    TSA (Transpacific Stabilization Agreement)

    世界最大の荷動きを誇る太平洋航路で、当時の同盟船社9社と主要盟外船4社の13船社が運賃安定化のために締結した協定で1989年3月5日に発効した。同盟が事実上消滅した太平洋航路では、運賃設定で主導的な役割を果たし、毎年定期的に運賃値上げのガイドラインを設定し、メンバーに勧告している。2002年8月現在メンバーは日本郵船、商船三井、川崎汽船の日本船3社のほか、CMA CGM(フランス)、COSCON(中国)、Evergreen(台湾)、Hanjin Shipping(韓進海運、韓国)、Hapag-Lloyd(ドイツ)、Hyundai Merchant Marine(現代商船、韓国)、Maersk Sealand(デンマーク)、OOCL(香港)、P&O Nedlloyd、Yang Ming(台湾)の計13社。
  • タイム ボリューム レート

    たいむ ぼりゅーむ れーと

    TVR (Time Volume Rate)

    荷主が一定期間最低積み荷数量を保証することを条件に、船会社が提供する割引運賃。
  • 代理店、代理人

    たいりてん

    Agent

    他者のために行為することが法律的に認められた者。海運では船主の代行をするShipping Agent、航空ではキャリアの販売代理店であるGeneral Sales Agent(GSA)、保険では損害貨物の処理をする損害代理店、損害の査定などを行うクレーム・エージェント、ロイズの代理店であるロイズ・エージェントなどがある。
  • 代理店販売手数料

    たいりてんはんばいてすうりょう

    Agency Commission

    代理店で行った旅客、貨物の販売に対して支払われる手数料のこと。航空輸送ではIATAの規定により運賃および従価料金の5%。
  • 宅配便

    たくはいびん

    Parcel Service

    小口貨物(書類や小荷物)の急送サービスのことで、顧客は一般消費者が中心だが企業も増えている。旧貨物自動車運送事業法による一般路線事業(1989年の法改正で区域事業と統合)に属し、あらかじめ決められた路線を定期運行するトラック便により貨物を積み合わせて輸送する。宅配貨物は原則的に30キログラム以下のもので、翌日配達など速さが売り物。このサービスに進出する物流業者も多く、競争も激しい。運輸省では宅配便独自の約款を設け、利用者(一般家庭)保護のための措置を講じている。
  • 縦揺れ

    たてゆれ

    Pitching

    船の横軸(左右方向の軸)の周りに縦(前後)方向に揺れる運動のことで、波が通過する時に発生する。
  • ダブル スタック トレイン

    たふる すたっく とれいん

    DST (Double Stack Train)

    海上コンテナの北米内陸鉄道輸送に導入されているコンテナ2段積み用鉄道貨車(ダブル・スタック・カー)を編成した貨物列車のこと。2段積みによりコンテナ1個当たりのコストが安くなり、また(1)低燃費、(2)衝撃が小さく安全、などの特徴がある。船社の中には独自に鉄道会社と契約を結び、専用のユニット・トレインとして配船スケジュールと合わせた定時運行体制をとっているところもある。
  • ダメージ レポート

    ためーじ れぽーと

    Damage Report

    貨物の損傷などのチェック内容を記録したもの。貨物の種類や損傷具合、原因のほか荷役状況、固縛装置など様々な角度から検査した結果を報告、補償問題などの処理に際して重要な書類となる。
  • 多目的船

    たもくてきせん

    Multi-Purpose Vessel

    コンテナだけでなく、重量貨物、長尺貨物などのブレークバルク貨物も合わせて積み取れる機能をもつ船型を総称していう。セミコンテナ船も同意語に解釈される場合がある。
  • タリー

    たりー

    Tally

    検数事業のこと。港湾運送事業法に基づく免許事業。貨物の船積み、陸揚げに際して、個数の計算あるいは受け渡しを第三者の立場で証明する。国土交通省登録の手帳保持者であるTally Man(検数人)が実務を行い、検数票が発行される。代表的な機関に公益法人の(社)全日本検数協会、(社)日本貨物検数協会がある。
  • タリフ

    たりふ

    Tariff

    (1)定期船輸送においては、一般運送人が荷主に対して一律に適用するために、貨物の特性、形状、運賃負担力などを考慮して個々の品目ごとに、重量トンまたは容積トン当たりのBase Rate(基本運賃、荷役費を含む)、さらにSurchargeなどを記載した運賃率表のこと。 (2)保険では、ある保険の種目において、物件、地域、条件などの危険区分ごとに保険料率を示した表のこと。MICAタリフやWar & Strike Risks Scheduleなどがある。 (3)航空貨物輸送では、政府の認可を受けた賃率、料金、運賃および運送約款などが記載された表のこと。 (4)税関用語としては関税率表のことで、品目ごとに分類された輸入品に課徴される税率を定めた表。